再生可能エネルギー バイオマス・メタン発酵システム

Pocket

NSP/ABHEGC®システムとは

先進の生物処理により、あらゆる有機物を高効率でメタンガス化する、
再生可能エネルギーの最先端技術。

有機物(COD)の90%以上をエネルギー転換可能。通常、嫌気性生物処理の微生物は有機物の処理と同時に大量のバイオソリッド(汚泥)を生じさせますが、NSP/ABHEGC®システムはバイオソリッドを「ナノ化」することで微生物が素早く効率的にエネルギー転換することを可能にします。

NSP特許技術

NSP/ABHEGC®システム

All Biomass High speed processing Efficient Gas Conversion)
特許第5705359号/特許第5870342号/特許第5870343号

バイオマス・メタン発酵普及への切り札

再生可能エネルギー普及のために固定価格買取制度(FIT)が作られましたが、バイオマス・メタン発酵においては北海道を除く地域ではほとんど普及していないのが実情です。NSPの技術は、下記の従来の問題を解決します。

効率

現状・従来型の問題点

家畜糞尿の場合、メタン発酵のバイオガス転換率は30%~50%程度と効率が低いのが現状。大量のバイオマス原料を用いても発電量が少なく、経済的なメリットが少ない。

NSPの解決策

独自開発技術NSP/ABHEGC®システムにより、ガス転換率80%~90%という高い効率を達成します。
※ガス転換率は原料の灰分の量により変動します。

規模

現状・従来型の問題点

効率が悪いため、大規模の施設でなければFITによる投資回収(20年以内)が困難。発電出力400kWクラス=乳牛2,000頭、肥育牛3,000頭、豚12,000頭の規模が必要。

NSPの解決策

従来の半分程度のプラント規模でFITによる投資回収が十分可能となります。中規模の畜産農家でも適用が可能で、さらに食物残渣と併用することによりガス発生量の大幅アップが見込めます。発電出力800kWクラスでも、乳牛1,500頭、肥育牛2,000頭、豚10,000頭程度で実現。

液肥

現状・従来型の問題点

メタン発酵の副産物である「液肥」が大量に発生し、その処分が地域によっては困難な場合が多く、事業者にとって重荷になっている。

NSPの解決策

NSP/ABHEGC®システムでは、排出される「液肥」は固形分を含まない完全な液体のため、水処理の上、下水・河川等へ放流が可能です。もちろん従来のように「液肥」として活用することもできます。

「産業廃棄物」について
低効率を補うために家畜糞尿に「食物残渣(ざんさ)」を混合しメタン発酵させる場合、食物残渣は「産業廃棄物」に該当し、扱いには産廃法による許認可が必須となります。家畜糞尿を集約し、牧場外の他の施設へ移送しメタン発酵させるという場合も同様の問題が発生する可能性があります。

NSP/ABHEGC®システムの技術的特徴

超微細粉砕
[高速可溶化処理技術]

NSP/ABHEGC®システムでは、バイオマス原料を発酵槽へ投入する前の処理として、原料を”nano”(ナノ)レベルまで微細粉砕することにより、可溶化を促進し加水分解しやすい状態にします。

微生物菌がより発酵しやすい状態になり、ガス生産効率を80%~90%へと飛躍的に高めます。また排出されるスラッジを従来の約1/50まで減らすことが可能です。
※原料によって粉砕レベルは異なります。

膜処理技術
[高濃度汚泥(菌体)濃縮維持技術]

通常のメタン発酵プロセスでは、発酵槽へ1日に投入した原料とほぼ同等量を、液肥として排出する必要があります。そのため、槽内のTS(固形物)濃度は3~4%程度しか維持することができませんでした。

NSP/ABHEGC®システムでは、UF膜分離技術により、発酵槽内における高い菌体濃度と長い滞留時間を実現。可溶化酵素の濃度も高く維持することが可能です。これらの状況を作り出すことにより、発酵速度・効率を大きく向上させます。

 

発酵槽内が高濃度に維持されることによるメリット

  1. 高負荷運転が可能になり、発酵日数を短縮し発酵槽の容積を小さく抑えることができます。

      一般的なシステム NSP/ABHEGC®システム
    発酵日数 30~60日 15~30日
  2. 有機酸の増加にも耐性があり、従来システムでは酸敗対策として予備発酵槽を設ける必要がありましたが、NSP/ABHEGC®システムではそのような対策は不要です。

    前処理として原料をナノ化微細粉砕することにより発酵を促進し、同時にUF膜の細いチューブ内で原料が閉塞しない状況を作り出しています。さらにUF膜の透過孔は0.03㎛の濾過精度があり、固形物や菌体は通過できません。通過するのは、イオン化されたアンモニアや塩分、フミン酸やフルボ酸等となります。分子が比較的大きなリン等もほとんど通過しません。
  3. リグニン、セルロース等の有機物もナノ化し、より多くのCH4生成とCO2削減を同時に実現します。
  4. 濃縮アンモニアからアンモニアガスを取出し、窒素と水素に分解して水素ガスを取り出すことも可能です。またアンモニアガスを触媒にて燃焼放出も可能です。

NSP/ABHEGC®システムの流れ

NSP/ABHEGC®システムの優位性

優れたコストパフォーマンス

高効率のバイオガスエンジン発電機コジェネレーションによる熱の利用で余分な熱供給が不要。
発電効率は電気42%、熱46%で、ほぼ90%熱給電効率。

飛躍的な省スペース化

微生物の迅速な分解力による消化時間の短縮で、消化槽の小型化を実現。
消化液の水処理放流により液肥貯留槽が不要になり大きくスペースを削減します。

有機物残渣ゼロが可能

液肥を含む廃棄物処理を大幅削減し、液肥も乾燥パウダー化してウイルス対策ともなるシステムの組込(エンジン廃熱の利用)

新たな廃棄物の生成がほとんどない

余剰汚泥の90%以上を削減。

廃液のゼロ化。処理水のリサイクルも可能に。

地球・環境に優しい、有機物のエネルギー転換技術。

既存のバイオマスメタンガス設備の改善・改良への対応も可能。

バイオマスプロジェクトの進め方

特別技術顧問紹介

わが国のメタン発酵分野における第一人者である野池達也先生には、当社の特別技術顧問としてNSP/ABHEGC®システムの研究開発を通じてご助言、ご指導を頂き、併せて技術的検証をお願いしております。

特別技術顧問 野池達也 東北大学名誉教授

株式会社エヌ・エス・ピイのメタン発酵の高効率化技術の開発につきまして、10年にわたりまして親しくご相談に与らせていただいて参りました。

投入バイオマスの超微細化装置によるバイオガス生成量の増大、膜分離による処理液の排出の新規性のあるメタン発酵装置を、実験室で小型の反応槽による基礎実験、およびパイロット規模の実装置に近い大型のメタン発酵装置により、長年月をかけて丹念に確立したものであります。

何か問題点が生じますと、何事も徹底的に原因を究明され、私のアドバイスも真直ぐに受けとめられ、解決してこられました。NSP/ABHEGC®システムはそのような研究と努力の賜と言えます。

野池達也

ニュース等で紹介されました

NSP/ABHEGC®に関するご相談・お問い合わせはこちら。